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照明

ダイソー2wayランタンを分解・改造してUSBで動くようにする

ダイソー2wayランタンを改造

物撮りする時の照明用に、ダイソーの12SMD&1LEDの高輝度ランタンを購入しました。
100円なのになかなかの明るさを発揮してくれます。
セリアでも全く同じランタンが売っていました。

ダイソー2wayランタン

動かすには単3電池が3つ必要なのが面倒なので、USB充電器に挿して使えるように改造していきたいと思います。
結果的に明るさもアップできました!

注意

安全性は保証できませんので、改造は自己責任でお願いします。

100均のランタンを分解

まずはランタンを分解してみます。

ダイソー2wayランタン分解

12個のSMDのLEDが並んでいます。
SMDというのはSurface Mount Deviceの略で、表面実装という意味。
基板に直接実装できるチップタイプのLEDということです。

SMDとは別に1つLEDが付いていて、これとSMDがスイッチで切り替えられるようになっています。

回路図にするとこのようになります。

ダイソー2wayランタン回路図

SMD-LEDは12個並列に並んでいて、1Ωの抵抗でSMD-LEDに流す電流を決めています。
なかなかヤンチャな設計です!
良い子はマネしてはいけません!!

SMD-LEDのVF(順方向電圧)にはばらつきがあって、VFが大きいものも小さいものも存在します。
もしばらつきがかなり大きいと、VFの小さなSMD-LEDに電流が集中して寿命が短くなったり、最悪発熱が大きくなって壊れてしまいます。

ちゃんとした設計をするならこうです。

電流集中防止

SMD-LEDごとに抵抗を接続しておけば電流が集中する心配はありません。

今回は面倒なのとSMDの明るさに大きなばらつきは無さそうだったので、ここままで進めます。
心配な人は抵抗を追加しておきましょう。

改造する方針を決める

単3電池3つで動くようになっているので、1.5V×3で4.5Vで動作するように設計されているはずです。
USBの電圧は5Vなので、流石に何も考えずに5Vを接続するのは怖すぎます。

そこで、電池を入れた状態で各部の電圧を測定し、電流や電力を計算していきたいと思います。

改造前のチェックポイント

  1. SMD-LEDのVFは何Vか?
  2. 1Ωの抵抗は実際は何Ωか?
  3. 電源に流れる電流は何Aか?
  4. SMD-LED1個あたりの電流は?
  5. 抵抗の電力は許容範囲か?

電圧の測定

それでは、各部の電圧をテスターで測定していきましょう。
スイッチがオフの状態では電池の両端の電圧は4.681Vでした。

テスターで電圧測定

スイッチをSMD側にオンさせると、電池の両端の電圧は4.053Vまで低下しました。
これは、電池の内部抵抗によって電圧が低下するためです。

SMD-LEDのVFは3.131Vで、1Ωの抵抗の両端電圧は0.533Vです。
1Ωの抵抗を実測すると、ちょっと大きめで1.18Ωとなっていました。

抵抗に流れる電流は0.533V / 1.18Ω = 452mAとなります。

よって、抵抗に発生する電力は0.533V×452mA = 0.24Wです。

また、SMD-LED1個あたりに流れる電流は、452mA / 12 = 38mAとなります。

各部の電圧と電流

SMD-LEDの型番が分からないので限界値は分かりませんが、そのままUSBに接続した場合、電流が増えすぎて危険かもしれません。
抵抗も許容損失は分かりませんが、このサイズなら室温で1Wは超えないようにしたいところです(できれば0.5W以下)。

ということで、USBで動かすためには抵抗値を大きくして電流を減らすか、USBの電圧を小さくする必要があります。
今回はUSBの電圧を低下させる改造を行っていきたいと思います。

ランタンを改造

USBの電圧を簡単に小さくする方法は、ダイオードを使って電圧をドロップさせることです。
通常はこのように電源側に接続して電圧をドロップさせます。

ダイオードによる電圧ドロップ

今回はダイオードを実装しやすい位置がGND側だったので、このような接続になります。

GND側にショットキーを接続

壊れた基板から外したダイオードなので型番は不明ですが、使われ方的に少なくとも1Aは流せるショットキーダイオードだと思われます。

USBケーブルを接続する

USB充電器に直接接続できるようにするため、100均のUSBケーブルを使います。
セリアで購入した3A流せる1.5mケーブルです。

このようにスマホ接続側のコネクタを切ってしまい、皮膜を剥いで中の配線を露出させます。

USBケーブル分解

USBケーブルは電源、GND、データ通信用のD+、D-の4本の線で構成されています。
今回はデータ通信はしませんので、D+、D-の線(緑と白の線)は使いません。

電源、GNDの線径が意外と太かったので安心。
結構電流を流すので、できるだけ太いケーブルを選びましょう。

USBの電源ラインをスイッチの真ん中の端子に、GNDを電池のマイナス端子に接続します。

ダイソー2wayランタン改造

USB充電器に挿してスイッチをオンすると、問題なく明かりが付きました!

ダイソーの100円ランタンをUSB駆動

改造後の電圧を測定

念のため、改造後の各部の電圧を測定しておきます。
結果は次のようになりました。

測定箇所 測定値、計算値
SWオフ時USB電圧 5.140V
SWオン時USB電圧 4.848V
SMDのVF 3.261V
1Ω抵抗の両端電圧 0.940V
抵抗に流れる電流 797mA
抵抗の消費電力 0.75W
SMD-LED1個あたりの電流 66mA
追加したショットキーのVF 0.268V

思った以上にショットキーダイオードのVFが小さかったのと、USB充電器の電圧が高めだったのでかなり電流が流れてしまっています。
ちょっと怖いですが、個人的にはギリギリ大丈夫かな?の範疇なので、このまま行きたいと思います。

部品があれば、ダイオードはショットキーではなく普通の整流ダイオードにした方がよいでしょう。
VFが0.7Vくらいはあるので、電圧を下げて電流を低下させられるため安全です。

完成したランタンを使って撮影

完成したランタンを使って試しにミケランジェロ君を撮影。

ダイソーランタンで物撮り

いい感じに雰囲気が出ています。

ミケランジェロ

SMD-LEDに流れる電流は大幅にアップしているので明るさも少しアップしています。
劇的には明るくなっていないので、電流に対して輝度の上昇が低いのかもしれません。

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